昭和ブームを再考察。懐かしの自販機が並ぶオートレストランの衰退と発展
突然ですが、皆さんはオートレストランって利用したことがありますか?
無人のドライブインとかに置いてある、あの食品自動販売機コーナーです。
ラーメンにそば・うどんの麺類。ハンバーガーやトーストなんかもありましたね。かき氷も夏場にはよく食べた記憶があります。
そんな自販機達は現在では「レトロ自販機」なんて呼ばれているそうで。
オートレストランは70年代や80年代に全盛期を迎えましたが、90年代にはコンビニやファーストフード店の台頭もあり衰退していきました。
しかし近年は「懐かしの昭和レトロ」というものが再評価されており、このオートレストランにもスポットが当たることが増えてきていますね。
テレビや雑誌でもよく取り上げられていますし、インターネット上でもファンの方々が自身の紹介サイトなどで詳しく解説されています。
今回はそんなオートレストランについてちょっと触れてみようと思うのですが、おすすめのスポットや自動販売機の紹介については他のサイト様がすでにたくさんやっております。
なのでここでは違った観点で書いていきますね。
どうしてオートレストランは廃れていったのか?
姿を消していったオートレストラン、レトロ自販機達ですが、そもそもなぜ廃れていったのか?
まず、オートレストランの設置場所であるドライブイン自体の衰退が大きな原因でしょう。
高速道路網の発達により、長距離トラックが国道から高速道路の利用にシフトしていけば、当然メインの客層ともいえるトラック運転手の利用は激減します。
商売あがったりですね。
事実、90年代に入ってから廃業した店舗は非常に多かったようです。
そして記事冒頭でも触れましたが、24時間営業のコンビニエンスストアが普及したことにより、深夜でも簡単に食料を買えるようになりました。
これも衰退に大きな影響を及ぼしたのは間違いないでしょう。
実はコンビニの歴史というのは意外と古く、1975年にはすでにセブンイレブンの虎丸店が24時間営業をしていたようですが、まだまだ一般的ではなかった時代。
深夜でも営業しているコンビニが我々の生活に定着したのは90年代半ばだと思います。ちょうどオートレストランが陰りを見せた頃と一致しますね。
廃業したドライブインはコンビニに転業することも多かったようです。
あと、ファーストフード店の普及も同じように影響しているのでは。
レトロ自販機はハンバーガーやトーストのジャンクフード類が多かったので、それがマクドナルドをはじめとしたチェーン店の物に取って代わられたと考えれば合点がいきます。
そんなオートレストラン。レトロブームで終わらせないためには
今現在、隠れたブームで脚光をあびるオートレストランの自販機達ですが、これが一過性で終わってほしくないと個人的に思うわけです。
こういう良い意味でマニアックな物はいつの時代になっても熱狂的なファンがいるものですから、忘れ去られる事は絶対に無いと思います。
ですが、せっかく注目を浴びている今もっと世間に認知されてほしいんですよね。
単純にコンビニやファーストフード店に今から勝つことは無理でしょう。
ただ、安価で手軽に食事ができる魅力や、時代背景を知るうえでの価値という部分は、レトロ自販機にしかないものです。
そこを前面に出していく事がブームで終わらせないための方法なんじゃないでしょうか?
先月、レトロ自販機のみがずらりと並ぶオートレストランが新たにオープンしたそうです。ファンの人々には嬉しいニュースでしょう。
こうやって魅力を伝えようと奮起している方々を応援していきたいですね。
「昭和ノスタルジー」この先も長く愛されることを願うばかりです。
あと自販機自体がとっても希少なので、利用する際は丁寧に扱いましょうね!